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V850でライントレースーカー(車体編)

ライントレースカーの何から書こうか迷いましたが、とりあえず車体本体(シャーシー、モーター、タイヤ等)を紹介します。これらの部品はすべて、タミヤの「楽しい工作シリーズ」にあるものを使ったため、穴を開けたり、切ったりといった加工をすることもなく、簡単にできます。私が購入した本や雑誌を見ると、初心者向けに、ほとんど定番になっている部品です。

シャーシー

シャーシーは、タミヤの「ユニバーサルプレート」を使いました。プレートの大きさは16x6cmです。プレート本体以外にも幾つか部品が付属しており、今回のライントレースカーでは電池ボックスを固定するのに、オレンジ色のプラスチックピンを使用しました。


モーター

モーターは、タミヤの「ツインモーターギヤボックス」にしました。部品購入時、車体全体がどれぐらいの重さになるか分からなかったので、上の本でも紹介されていたモーターを使うことにしました。ツインモーターギヤボックスは、FA-130というモーターが付いています。このモーターの電圧範囲は1.5~3.0Vです。1.5V時の適正負荷は、回転数6990rpm、トルク6.0g・cm、電流0.66Aです。この当たりの情報は、マブチモータのモーター検索ページから取得することができます。ギヤ比は58.2と203.7を選ぶことができます。今回は低速ですが、トルクが大きい203.7を使用しました。

タイヤ(後輪)

タイヤはタミヤの「スポーツタイヤ」を選びました。これ以外にも、「ナロータイヤ」など幾つかあるのですが、かっこ良さからスポーツタイヤにしました。このタイヤの直径は56mmです。結構グリップがあるため、画用紙の上を走っている分には滑ることはないように見えました。


キャスター(前輪)

ライントレースカーが曲がるようにするには、前輪にタイヤを付けるより、左右のタイヤの速度差により曲がる方が簡単です。そのため、キャスタを使うことにしました。これもタミヤのボールキャスターを使いました。


ライントレースカーの速度とトルク

ここでは、いい加減な測定のもと、ライントレースカーの速度やトルクを考察してみました。このライントレースカーは駆動系に単三乾電池3個を使用しています。電池が新品ならば4.5V以上になるのでしょうが、使っているとすぐに4.0Vぐらいにまで低下します。実際に計測してみると、次のようになりました。

電池電圧[V] モーター電圧[V]
非接地時
非接地時回転数[rpm] 走行時速度[cm/sec] 走行時回転数[rpm]
4.01 1.62V 48.8(※9936) 12.4 42.2(※8601)

※:()内の数値はギヤ比203換算でのモーターの回転数

単三電池3個の電圧は4.01Vでしたが、モーターICを介しているため、モーターに掛かる実際の電圧は1.62Vでした。この時、タイヤを浮かした状態(非接地の状態)で回転数は48.8rpmでした。これは20回タイヤが回る時間をストップウォッチで計測したところ、平均24.6sec掛かっていたので、20 / 24.6 * 60 = 48.8 rpmと計算しました。走行時の速度は画用紙の上を走らせ、260cmの距離を21.0secで走行していたため、260 / 21.0 = 12.4 cm/secとしました。走行時の回転数は タイヤの直径が5.6cmですので、12.4 / (π * 5.6) * 60 = 42.2 rpmとなりました。ツインモーターギヤボックスのギヤ比は203.7に設定したため、非接地時は 48.8 * 203.7 = 9936 rpm、走行時は 42.2 * 203.7 = 8601 rpm になります。一方、マブチモータの検索ページにあるFA-130RA-2270 モーターの性能シミュレーションを見ると、1.6Vの場合、次のようなモーター特性となります。

適正負荷の場合(効率が最も高い状態)、トルクは6.3 g・cm、回転数は7510rpmです。走行時は、それより高い回転数ですので、もっと軽いトルクであることが分かります。実際に8601 rpmに近い8600 rpmでのトルクを見ると、次のようなグラフになります。この場合、トルクは3.2 g・cmとなり、ギヤ比203.7換算ならば、3.2 * 203.7 = 652 g・cmです。

今回製作したライントレースカーを一定速度で動かす場合に必要なトルクはどのぐらいなのでしょうか?その答えは、「電子工作の実験室」というサイト(なんと、このライントレースカーを製作するにあたり、大いに参考にしたPICマイコンではじめる-作って遊べるロボット工作の著者:後閑哲也先生のサイトでした。オー感動!)にあります。後閑先生のサイトにある「モータ制御法」というページを見ると、今回のライントレースカーで等速運動する場合のトルクは次のように簡易計算できるようです。

      L = μWD / 4 L:摩擦負荷トルク(g・cm)
μ:摩擦係数
W:車体重量(Kg)
D:タイヤの直径(cm)

トルクは力F *半径R(正確には外積)です。等速運動時に必要な力 Fは動摩擦係数と質量の積になりますが、タイヤが2個なので、F = 摩擦係数 * (W / 2)となります。半径は R = D / 2ということで、上記のような式になるんだと思います。私が作成したライントレースカーの場合、重量は380g、タイヤの直径5.6cmです。すると、

      652 = μ * 380 * 5.6 / 4

という等式が成り立ち、摩擦係数μは1.23となります。うーん、なんとなく動摩擦係数がこんなに大きいとは思えないので、なんか間違っているような気もします。ギヤを回すだけでも力が必要なため、ギヤを使うとかなりのトルクが消費されるのかもしれません。実際、タミヤのサイトを見ると、ツインモーターギヤボックスの実測性能は、3Vの適正負荷の状態で次のようになっています。

ギヤ比 58.2:1 203.7:1
トルク(g・cm) 419 1404
回転数(rpm) 227 65

再度、マブチモータの検索ページにあるFA-130RA-2270 モーターの性能シミュレーションを見ると、3.0Vの場合、次のようなモーター特性となります。

ここからはかなりいい加減な推測になりますが、ギヤ比203.7のギヤでタイヤが65回転しているならば、たとえ理想のギヤでなく、どんなに重いギヤでも、モーターの回転数はギヤ比に必ず比例すると考えれば、65 * 203.7 = 13240 rpmとなります。この場合、上のグラフからモーターのトルクは14.2 g・cmです。理想的なギヤならば、14.2 * 203.7 = 2893 g・cmになるのでしょうが、実際にはタミヤのスペックにあるように1404だとすれば、実際のギヤでは半分ぐらいのトルクになってしまうと考えるのが妥当のような気がします。そう考えれば、私のライントレースカーの等速運動時でのトルクは、652 / 2 = 326 g・cm(但し、モーター電圧1.62V、タイヤの回転数42rpm)ぐらいなのかも知れません。この場合、動摩擦係数を計算すれば、これも半分になり、0.61ぐらいになります。これでも大きいような気がしますが、画用紙とタイヤ間の動摩擦係数もよく分からないため、何とも言えません。これ以上の推測は無意味に思えてきたので、モーターやギヤは奥が深いということで、おしまいにしてしまいましょう。一応、結論として次のようになりました。

電池電圧[V] モーター電圧[V]
非接地時
走行時速度[cm/sec] 走行時回転数[rpm] トルク
[g・cm]
動摩擦係数
4.01 1.62V 12.4 42.2 326※1 0.62

※1:タイヤ1個当たりのトルク

今回、モーターの電圧等を測っているとき、また理解不能な現象がありました。一つは、電池電圧です。スイッチオフの状態では4.01Vでしたが、宙に浮いた状態でモーターを動かすと、3.35Vぐらいまで低下していました。そして、無理やり手でタイヤを止めると、2.5Vぐらいにまで落ちました。一方、モーター電圧はスイッチオフの状態ではもちろん0Vですが、宙に浮いた状態でモーターを動かすと1.62Vですが、無理やり手で止めると、どんどん下がり0.38Vぐらいになりました。タイヤに掛かる負荷に応じて、電圧が変動しているようです。


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