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V850でライントレースーカー(メイン回路編)

ここではメイン回路を紹介したいと思います。メイン回路といっても、V850の部分ではなく、モーターICによるPWM制御や3端子レギュレータなどについて書きました。下の写真はV850基板を外した状態です。真ん中がスカスカになってしまうので、なんか間抜けです。

モーターIC

モーターICにはTA7291Pを使用しました。PWM制御が可能なTA7289PやTA8429Hもありますが、両方とも動作電源電圧が高く、値段も高めなので、こちらにしました。TA7291Pでも、オンオフの入力信号にパルスを与えれば、一応PWM制御もできます。モーターIC周りの回路図は次のようになります。コンデンサの容量等はどうやって決めればいいのか分からなかったので、「トランジスタ技術SPECIAL No.84 「基礎から学ぶロボット製作の実際」を参考にしました。V850からパルス信号を出力してPWM制御を行うため、ポート92,94,96,914(図面には書かれていませんが、ポート96,914はもう片方のモーター用です)を使用しています。ポート92,94,96,914はタイマー出力機能を備えており、V850のPFC9レジスタ等でPWM出力に設定することができます。幾つか試した結果、PWMの周波数は500Hzにしました。これ以上あげると、モーター付近から高周波の音が聞こえたからです。また、デューティ比をどこまで小さくできるか実験しましたが、40%以上でないとタイヤが回らなかったです。新品の電池とそうでない電池でも差が出たので、電圧などにも依存すると思います。しかし、周波数にはほとんど依存しませんでした。
トランジスタ技術の付録にあったSoftOscillo2でPWM波形を観測しました。期待通りのPWM出力ができていることを確認しました。

PWM出力のポート92,94の近くにある抵抗アレイは、Nチャンネル・オープンドレイン用の抵抗です。V850は3.3Vで動作しますが、特定のポートはNチャンネル・オープンドレインの機能が付いており、5V耐圧になっています。抵抗値はTA7291Pをのデータシートを見て決めました。TA7291Pの内部回路には、10KΩや4.5KΩの抵抗があるみたいで、HIGHにした時、1KΩならばほとんど電圧降下も起こらないと思われます。また、LOWにした時、5mA(=5V / 1KΩ)程度の電流がV850に流れ込む程度なので、問題ないと思います。
TA7291Pでもう一つ注意する点は、モーター電圧(OUT1-OUT2の電圧)です。モーターの電池が単3乾電池2個の時、ライントレースカーを実際に走らせてみると、なんとなく速度が遅いことに気づきました。実際に図ってみると、Vsの電圧が2.6V程度で、モーター電圧は0.78Vぐらいしかありませんでした。TA7291Pのデータシートをよく見ると、モーター電圧はVsとGNDの電圧差から上下それぞれ1V程度小さくなるみたいです。エレキジャックでもそのような実験結果が出ており、Vs電圧が低いとモーター電圧がかなり小さくなるので、気をつける必要があります。
本来、TA7291PはVrefの電圧を制御することで、速度制御を行うICです。即ち、Vrefが0ならば、モーター電圧は0V、VrefがVsと同じならば、最も大きいモーター電圧を出力します。今回、TA7291Pの入力ポートIN1, IN2に、PWM出力を接続しましたが、Vrefに接続することもできると思います。この場合、PWM出力ポートを1本にすることができます。ネットで探すと、多くの方がPWM出力を入力ポートに接続しているようだったので、私もそうしたのですが、次回作ではVrefに接続したいと思っています。

3端子レギュレータ

V850の基板には3.3Vを出力する3端子レギュレータμPD120N33が付いているため、これだけで何とかできないかな?と思いましたが、推奨電圧4.5~5.5Vで、最大定格は-0.3V~6Vになっています。単3乾電池4個だと6Vなので危険な感じです。また、3個だと使っているうちにすぐに4.5Vを下回るので、それも頂けません。仕方ないので、別途3端子レギュレータを使うことにしました。モーターICも5Vぐらいが適当みたいなので、5V出力の3端レギュレータを探しました。たくさん種類がありますが、0.5Vぐらいの低ドロップ電圧で、1AまでOK、放熱板なしでも最大許容損出ができるだけ大きいものを探しました。最終的に使用したLM2940T-5.0(ナショナルセミコンダクター製)は、上記の条件を満たし、放熱板なしの最大許容損出は2Wぐらいでした。入力電圧9Vで出力電圧5V、最大許容損出が2Wならば、500mA( = 2.0 / (9.0 - 5.0)となります。メイン回路は300mAぐらい(V850基板100mA、発光ダイオード5個で100mA、フォトセンサー回路60mA、モーターICで40mA)流れると計算していたので、余裕があると考え、LM2940T-5.0を使うことにしました。設計時は同等のTA4805S(東芝製)に決めたのですが、シリコンハウス共立にはなく、ほぼ同等のLM2940T-5.0にしました。回路図は次のようになります。

発光ダイオード(LED)

発光ダイオードはフォトセンサー感度やモータ動作のデバッグ用に5個つけました。回路図は下のようになります。

LEDもたくさん種類がありますが、東芝製のTLSH20TP(赤色)などはデータシートを見ると、順電圧2.0V、電流20mAで明るくなるみたいなので、抵抗は150Ω( = (5.0 - 2.0) / 0.02)としました。V850のポートがLOWの時、点灯します。HIGHの時、ポート電圧は3.3V程度なので、電位差は1.7Vになり、LEDは点灯しません。

メイン回路の損出

3端子レギュレータのところで損出を見積もったので、実際に計ってみました。電池は単体で図ると8.5Vぐらいでしたが、実際にスイッチをオンにした状態では、7.1Vぐらいになります。その時、フォトセンサーがすべてONになるようにし、LEDもすべて光るようにし、モーターも全速で回すようにしたところ、230mAの電流が流れていました。ということは、損出は0.483W( = (7.1 - 5.0) * 0.23)になります。この損出がすべて熱になるそうです。スイッチをオンにすると電池の電圧が下がること、電流も300mAと算出していましたが、実際には230mA程度であったため、2Wに比べると余裕です。

長い間ライントレースカーを走らせた直後、3端子レギュレータを触ってみたところ、やっぱり熱かったです。ただ、NVIDIAのグラフィックスボードほど熱くはなかったです。当たり前ですね。


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